伝言板2014年9月号
風立ちぬ
昨年大ヒットした映画といえば宮崎駿の漫画『風立ちぬ』を原作とした長編アニメーション映画です。
もうご覧になられたでしょうか? 実在の人物である堀越二郎をモデルに、その半生を描いた作品でありますが、堀辰雄の小説『風立ちぬ』からの着想も盛り込まれているストーリーです。
のちに零戦を設計することになる二郎は、幼いころから飛行機に憧れる少年でした。夢の中で飛行機製作者のカプローニに邂逅した二郎は飛行機の設計士を志します。
東京帝大で航空工学を学ぶ二郎は、帰京中の汽車の中でひょんなことから少女とその女中と知り合いますが、そのときに関東大震災が発生し、二郎は二人を助けることから少女との恋が結ばれ結婚します。
幸せな新婚生活を迎えるはずが、当時は不治の病と言われた結核にかかったヒロインの女性が短い生涯を終えるという儚い恋の物語です。
この当時は抗生物質もなかったころですから、病気=菌の病というのがほとんどでした。
実際に戦時中、日本軍がフィリピンなどの亜熱帯の国で戦っているときは、銃弾にあたって亡くなるよりも、食中毒など、水や食料などに付いている悪性の菌で高熱をだして亡くなる人の方が多かったそうです。
結核菌だけではなく、ペスト菌・赤痢菌など人類は菌との戦いであったようです。
第二次世界大戦が終わる頃、人類史上画期的な物質が発見されました。
アオカビから抽出されたペニシリンという抗生物質でした。
細菌の細胞壁を破壊して、細菌を死滅させるはたらきにより、昨日まで死の病であったものが、この抗生物質の発見により菌を叩くことに成功したのでした。
免疫学の藤田先生から教わったこと
当時の人からすれば、魔法の薬であり、救世主だったことは言うまでもありません。医学に対する信奉は想像を遥かに越えるものであったことでしょう。
しかし、この抗生物質の難しいところは、確かに悪性の菌も死滅させる威力があるのですが、同時に人間にとって大切な菌…乳酸菌などの善玉菌も死滅させてしまうのです。
そのことが、後に問題となってきました。確かに死の病である菌には、一時的に抗生物質を使うしかない緊急の時もあります。でもちょっと熱がでてきたから、少し頭痛がするからといって抗生物質などの薬を飲むようになった現代人は徐々に免疫機能が衰えてきました。
免疫を司るのが腸内細菌です。抗生物質や消毒ばかりしていると、悪玉菌と一緒に善玉菌も死滅していくことが問題になってきました。
戦後、菌が原因で亡くなる人が激減した一方で、別の病気が増えてきました。それは、アトピーや花粉症、ガンなどの病気です。これらは先進国病とも言われ、実際に発展途上国では極端に少ないそうです。
良しにつけ悪しきにつけ、現代人は過剰なまでに薬剤を使用した結果、腸内細菌のバランスが崩れたことから、様々な病気が現れたようです。
このことは免疫学の医学博士である藤田紘一郎先生がお話してくれています。
藤田先生は「腸内細菌は免疫を作り、自然治癒力の源泉にもなっている大事なものです。それなのに、日本人の体内では減っています。それは大地で育つ野菜や果実の摂取量が減る一方で、防腐剤や添加物入りの食べ物などをたくさん食べていることとも関係があると思います」(以上引用)と述べています。
菌との共存
繰り返しになりますが、薬を否定している訳ではありません。
緊急を要する時には薬を用いながらも、その一方で自分自身の腸内細菌を育てることを併用することが、本当の健康を取り戻す根本治療なのかも知れません。
これからの健康は、特に悪性の菌は西洋医学の恩恵を頂き抗生物質で叩くにしても、それ程深刻でない時は自分の中の善玉菌を増やし良い菌を増やすこと…つまり菌との共存する道が一番自然のようです。
ではどうしたら自分の体にとって良い腸内細菌が育つのか?
ヨーグルトを食べる?発酵調味料を食べる?整腸剤を飲む?
世間では色々な話が真しやかに宣伝されていますが、自分の腸内細菌を上手に増やすコツがあります。
今度のお茶会は、久々に「腸の不思議」がテーマとなります。
2014年10月29日(水)13:20~15:20
参加料300円
他では聞けないちょっと面白い腸の話です。良かったら是非ご参加くださいませ。
店長 林 尚
