乳酸菌と乳酸菌生成エキス、何が違うの?自然食品店の店主が整理してみました。

いきなり「快便あるある」ですが、私は毎日、お通じが出た後の余韻に浸るのが、至福の時間の1つでもあります(笑)
一日に何度も訪れる恍惚感に喜びを禁じえません(笑)
朝の体操やウォーキングと同じように、こうした何気ない時間も、私の日常の一部です。
ところで、乳酸菌について、こんなたとえ話があります。
自分が大ファンの有名人が、家に泊まりに来ることになったとします。
最初の1泊、2泊は、うれしくて張り切っておもてなしすると思います。
でも、3日、4日と続いたら……
「大好きなんだけど……いつまで泊まるんだろう?」
なんて、気になってしまうかもしれません(笑)
どんなに好きな人でも、お客様としてお迎えすることと、家族として一緒に暮らすことは別なのですね。
「外から取り入れる乳酸菌も、そのまま腸の住人になるとは限らない」と聞いて、なるほどと思ったのを覚えています。
もちろん、菌が人間のように気を遣って帰るわけではありませんが(笑)、「取り入れること」と「住みつくこと」の違いが、印象に残りました。
では、「乳酸菌」と「乳酸菌生成エキス」は何が違うのでしょうか。
どちらにも乳酸菌という言葉がついていますが、着目しているものが違います。今回は、そこを整理してみたいと思います。
乳酸菌そのものと、乳酸菌が生み出すもの
乳酸菌とは、糖を利用して乳酸を作る細菌の総称です。1つの菌の名前ではなく、さまざまな種類があります。
ヨーグルトなどでおなじみですが、サプリメントにも乳酸菌そのものを取り入れる商品があります。菌の種類だけでなく、生きた菌を使うもの、加熱処理した菌を使うものなど、商品によって違いがあります。
一方、乳酸菌生成エキスは、乳酸菌などを培養・発酵させる過程で生まれる成分を含むエキスです。こちらは、菌が働く過程で生み出す成分に着目しています。
大まかに言えば、「菌そのもの」と「菌が生み出したもの」の違いですね。
ただし、乳酸菌生成エキスという名前なら、どの商品も同じ中身というわけではありません。使う菌や培養の材料、製法などは商品によって異なります。菌が含まれるかどうかも、名前だけでは判断できません。
似た言葉ですが、同じものを指しているわけではないのです。
「生きて届く」と「住みつく」は別の話
乳酸菌の商品では、「生きたまま腸まで届く」という言葉をよく見かけます。
ここで思い出すのが、大好きな有名人がお泊まりに来る話です。
家まで来てくれることと、そのまま家族の一員として暮らすことは別。菌についても、腸まで届くことと、そこに長く定着することは分けて考える必要があります。
実際には、菌が腸にとどまるかどうかは、菌の種類や、その人の腸内の状態などによって異なります。「外から取り入れた菌は、どれもすぐにいなくなる」と一括りにできる話ではありません。
また、長く住みつかないからといって、それだけで意味がないと決められるわけでもありません。
このたとえは、あくまで「届くことと、定着することは違う」と考えるための入り口ですね。
生きているかどうか、数が多いかどうか
「では、生きていない菌には意味がないの?」
そんな疑問も出てくると思います。
乳酸菌については、生菌だけでなく、加熱処理した菌についても研究されています。ただし、研究されている内容は菌ごとに異なりますし、ある菌についての結果が、そのまますべての乳酸菌に当てはまるわけではありません。
ですから、「生きている」という点だけで、商品の良し悪しを決めるのは難しいのですね。
菌の数についても同じです。
大きな数字が書かれていると、つい「こちらのほうがよさそう」と思ってしまいます。でも、どんな菌を、どのくらい取り入れる商品なのかを見ないと、数だけでは比較できません。
「生きている」「たくさん入っている」という言葉の先に、何があるのか。
そこまで見てみると、いつもの商品説明も少し違って読める気がします。
では、乳酸菌生成エキスは?
乳酸菌生成エキスは、菌が培養・発酵の過程で生み出す成分に着目したものです。
そのため、乳酸菌そのものを取り入れる商品と、単純に菌の数で比べるものではありません。
ただし、「菌が住みつくとは限らないから、生成エキスのほうがよい」という結論になるわけでもありません。取り入れるものが違うので、それぞれの中身や特徴を確かめる必要があります。
名前が似ていると、つい同じ土俵で比べたくなりますが、まずは「何を取り入れるものなのか」を知ることが大切なのですね。
私と母、それぞれの習慣
ここまでの話を、私たち家族の身近な例にすると、私が飲んでいるのは乳酸菌生成エキスの「智通」、母が飲んでいるのは「11-1乳酸菌」です。
私が腸に関心を持つきっかけになったのは、新谷先生の『病気にならない生き方』を読んだことと、先生の講演を聴いたことでした。
腸の大切さを知り、「これは疎かには出来ないなぁ」と思ったのです。
智通を毎朝飲み続けて、もう20年近くになります。その間に、食事を見直したり、朝の体操やウォーキングを始めたりと、私の暮らしもずいぶん変わりました。
そんな日々の中で続けてきた習慣の1つが、智通です。生活の変遷は、自己紹介ページに書いています。
一方、母が飲んでいる11-1乳酸菌は、長野県のぬか床から発見された乳酸菌を使った商品です。製造段階で熱処理されており、生きた菌を取り入れるタイプとは異なります。
同じ家族でも、取り入れているものは違います。そして、どちらにも「乳酸菌」という言葉がついていても、同じものを飲んでいるわけではないのですね。
違いを知ると、説明の見え方も変わる
乳酸菌そのものと、乳酸菌が生み出した成分。
そして、菌が腸まで届くことと、そこに住みつくこと。
似ているようで、分けて考えたい話です。
私にとって、大好きな有名人がお泊まりに来るたとえは、その違いを考えるきっかけになりました。大好きな人でも、お客様と家族では違う。少し可笑しい話ですが、一度聞くとなかなか忘れません(笑)。
商品の説明も、知らない言葉が並んでいると、なんとなく読み流してしまいがちです。でも、1つ違いがわかると、「なるほど、ここはそういう意味だったのか」と見えてくることがあります。
今回の話が、いつもの商品の説明を、ちょっと違う目で読んでみるきっかけになればうれしいです。
| 比較する点 | 乳酸菌を含む商品 | 乳酸菌生成エキス |
| 着目するもの | 菌そのもの | 菌が生み出す成分 |
| 菌の状態 | 生菌・加熱処理した菌など | 菌の有無や状態は商品による |
| 確認する点 | 菌の種類・配合量・原材料 | 培養の材料・製法・成分 |
※一般的な違いを整理した表です。
具体的な内容は商品によって異なります。
