伝言板2016年3月号
いなくなって初めて分かるのかもしれません…
今年も、もう三月!あっという間ですが、お正月はいかがでしたでしょうか?
と、言いますのも、前年のカウントダウンは、仲の良い友人と一緒に飲み会、そして酔っぱらいながらの年越しだったんですよね。
年甲斐もなくどんちゃん騒ぎ(苦笑)…元旦は昼過ぎまで寝ている始末でした。
母は何も言わずとも、当然良い顔をするわけはなく…毎年恒例のバツが悪い正月となっていました…
そんなスタートの一年って不思議なもので、やっぱり年間通していまいちパッとしないんですよね。
フラれたからってわけではないですけど(笑)2015年全体を振り返ると、「なんか上手くいかないことが多い一年だったなー」って感じてしまうのです。
そんな経緯もあり、今回のお正月は気合いを入れました。
だからといって、私がおせちを作ったりだとか、ピントがずれたことを一生懸命やってもしょうがないので(笑)できることからやってみることにしました。
12月30日は毎年仕事納めの日になります。例年その日の夜は納会と称した飲み会をやっていますが、これを断ってみました。
意外とこういう会合って、一人が抜けると「じゃあ俺も」みたいな感じで、割とあっさり中止になっちゃうんです。自分も含めて、みんなけっこう惰性で集まっていたようです。
その甲斐もあって、大晦日の朝は珍しく家にいました。
母の心からのおもてなし
朝方、目が覚めると、早くから掃除機の音が聞こえてきました。
なんと母がすでに掃除を始めていたのです。
「そういえば今日は兄家族が帰ってくる日だったな」と思い出しました。掃除をしている母の姿を見ていて、ふと思いました。
「みんなが集まる日って、いつもこうやって朝から支度をしてくれているんだ…」
確かにいつも兄たちが来る日は、日中に私が出かけていたとしても、戻ってきたときにはホコリ一つないきれいな部屋の状態。
また、母は来客があるときは必ず玄関に花を飾るのですが、この日も松とロウバイが見事に飾ってありました。
さらには台所からは、美味しそうな煮物の匂いが…
掃除をしながら、並行して筑前煮も煮ている最中でした。
みんなを歓迎するために、朝早くから一人で黙々と支度をしている母の姿…昨年までのように飲み歩いていた時には決して気付けませんでした。
そんなこととはつゆ知らず、いつも食卓で小舅のように小言ばかりの自分の行動が恥ずかしく思えてきました。
せっかく作ってくれたご馳走を前にしても、
「学生じゃないんだからこんなに食べられるはずないでしょー」
実は私、今まで兄家族たちと食卓を囲むときの食事の量が、いつも本当に多すぎるなぁなんて思ってもいました。
しかし、この日、母を見ていてようやく気づきました。
習慣を変えることで今まで全く気づかなかったことが…
「母はただただ、みんなを喜ばせたいだけなんだ」
そのために自分ができることを精いっぱいやって、みんなをもてなそうとしているんだと。
それなのに「作りすぎ」とか悪態ばかりついていた私…それでも母はいつも笑顔で「目のお正月よ」と優しく返してくれていました。
そんな母の優しさに少しでも応えたくて、遅まきながら、掃除と食卓の支度を手伝うことにしました。
夕方、兄たちが来る直前にはなんとか全てが整って、みんなでいつものように食卓を囲みました。
この日は母のおもてなしを台無しにしないようにと、みんなを楽しませることに徹底しました。
と、いいますのも、「今、義姉さんが話しているのに、なんですぐ話を取るのー」みたいに、これまた小舅のような小言ばかりを母に言ってしまうのです。
自分では正論のつもりで言っていましたが、母なりに場を盛り上げようとしてくれていることに遅まきながら気づきました。
実は林家って、私が小言を言いさえしなければ、本当にみんなが穏やかに過ごせるんですよね…なんとか気づけたおかげで、今年のお正月は思いもかけず平穏な気持ちでのスタートでした。
そして平穏をもたらしてくれる母がいたからこその団欒…
「たくさんの料理」「場を盛り上げてくれる母の言葉」このありがたみを本当に感じるのは…きっと母がこの世を去ったあとに迎えるお正月なのかも知れません。
店長 林 尚
