「小松菜って、こんなに甘かったのか……」母と驚いた、炭素循環農法の野菜

小松菜を、生で食べたことはありますか?
届いた小松菜を、少量のオリーブオイルと極楽塩で和え、母と一緒に食べてみました。
一口食べて、思わず顔を見合わせました。
えぐみがなく、すっきりとしていて、甘い。
この一皿が、サンライフで野菜セットをお届けするきっかけになりました。
始まりは、思いがけず届いた野菜の箱
4年前の4月上旬、注文した覚えのない荷物が届きました。
やや不審に思いながら箱を開けると、中には野菜が。住所も名前も間違ってはいません。
「誰が送ってくれたのだろう?」
ひとまず冷蔵庫に入れて仕事をしていると、普段からお世話になっている新沼さんからメールが届きました。
「おいしい野菜を送ったから食べてみてください!」
送り主が分かって、ようやく一安心。その野菜を、遅くなった昼食に母と味わうことにしました。
「小松菜は生で食べてください」というアドバイスに従って、オリーブオイルと極楽塩で和えたのが、冒頭の一皿です。
母も「まったくえぐみがなくて、すっきりしている」と驚いていました。
農薬だけでなく、肥料も使わずに育てているらしいと話すと、母から質問が。
「でも、肥料もあげないのに、どうやって野菜ができるの?」
「……」
いつものように、分からないことを聞かれると無言になってしまう私でした(笑)
食べた驚きから、畑を訪ねることに
「どうやって育てているのだろう。」
気になった私は新沼さんに連絡を取り、農場体験をさせていただきました。ちょうど、小松菜の種まきを手伝うことに。

畑には、ところどころにキノコが顔を出していました。
まだ開墾して間もない畑で、「スギナが生えているので、まだ水はけが悪いなぁ」といった話もしていました。
当時の私には、さっぱり分からない話でした。
それでも、食卓で感じた驚きの向こうに、土や微生物、作り手の仕事があることを知り、この野菜をもっと知りたいと思うようになりました。
農薬だけでなく、肥料の与え方にも目を向けたい
野菜を選ぶとき、私が気にしているのは農薬だけではありません。肥料の与え方と、野菜に蓄積する硝酸態窒素にも目を向けています。
窒素は、植物が育つために必要な栄養です。一方で、野菜への硝酸塩の蓄積量は、肥料の与え方や日照、品種、収穫時期などによって変わります。
私は、必要な栄養であっても、過剰に与えない育て方を大切にしたいと考えています。
化学肥料を有機肥料に置き換えれば、それで何でもよいとは思っていません。有機肥料にもさまざまなものがあり、「有機」という言葉だけでは、具体的な育て方までは分からないからです。

このとき、私たちのチームで確認した小松菜の硝酸態窒素の測定値は25ppmでした。当時確認した市販の慣行栽培の小松菜の約5,000ppmと比べると、200分の1の数値です。
味がおいしいかどうかだけでなく、どのような環境で育ち、どのような数値が出ているのか。そうしたことにも目を向けたいと思っています。
そこで関心を持ったのが、土の中の微生物の働きを活かす炭素循環農法でした。
植物が根から出す物質が微生物の活動を支え、微生物の働きによって生まれた養分を植物が吸収する。炭素を含む有機物を活用しながら、そうした関係が働く土の環境を整えます。
微生物の働きを活かす栽培といっても、何もせずに放っておくわけではありません。
畑に何を入れ、どのように土を育むのか。私が知りたいのは、そこまで含めた作り手の取り組みです。
現在、サンライフでは、いかす農園と天土オルガニカから野菜を仕入れています。それぞれの取り組みをご紹介します。
いかす農園——緑肥を活かした土づくり
いかす農園は、神奈川県の平塚市と大磯町で畑を営んでいます。
私が特に気に入っているのは、緑肥を活用しているところです。
緑肥とは、育てた植物を土に還すなどして、土づくりに役立てるもの。いかすでは、緑肥などの有機物を微生物の餌として活用しています。
代表の白土さんが大切にしているのは、植物と微生物が必要なものを融通し合う「活かし合い」の関係です。
肥料による窒素過多を避け、植物が健やかに育つ環境を整える。野菜だけではなく、土や周囲の生き物を含めた畑全体に目を向けています。
認証の名前だけでなく、こうした具体的な土づくりを知ることが、私にとっては大切です。
また、いかすは農業研修や「はたけの学校」、収穫体験などにも取り組んでいます。野菜を届けるだけでなく、畑を知り、農業を学ぶ場としても開かれています。
天土オルガニカ——家族のための畑が、生業になるまで
もう一つの仕入れ先が、京都・京北の天土オルガニカです。
営んでいるのは、市原正隆さん・恵美子さんご夫妻。もともとは京都で、古着やアクセサリーのお店を開いていました。
京北へ移り住み、自分たちが食べるものを育てたい、息子さんに安心して食べさせられる野菜を育てたい。その思いから、小さな畑を始めました。
やがて友人や飲食店から野菜を求められるようになり、農業を本業にする決断へとつながっていきます。
服屋を営んでいたころ、正隆さんは仕事を終えた夜にも、ヘッドライトをつけて畑へ向かい、野菜についた虫を取っていたそうです。
野菜が気になって、畑へ行かずにはいられない。
その姿から、畑にのめり込んでいった様子が伝わってきます。
土づくりでは、山の落ち葉を集めたり、剪定くずを粉砕して堆肥を作ったり。木くずや葉が分解され、菌が増え、土が育まれ、その中で野菜が育っていく過程に、強く惹かれたそうです。
正隆さんの「野菜は育つもの」という言葉にも、その姿勢が表れています。
人がすべてを思いどおりにするのではなく、土と野菜、天候との調和を見ながら向き合う。屋号の「天土」には、天の恵みと土の恵みを活かしたいという思いが込められています。
家族が食べる野菜から始まった畑が、生業になり、暮らしになる。天土オルガニカの野菜には、そんな作り手の歩みがあります。
「全ては若返りの為に」。毎日の食卓から
サンライフが大切にしている「全ては若返りの為に」という思いは、毎日の食事にもつながっています。
何を食べるか。その食べものが、どのように育てられたのか。
特別な何かだけでなく、繰り返し口にする身近なものにも目を向けたいと思っています。
母と顔を見合わせた、あの小松菜の甘さ。そして、畑を訪ねて知った土づくりや、作り手の取り組み。
自然食品店を営みながら、この味を知らなかったことを恥ずかしく思うと同時に、お客様にも届けたいと思いました。
野菜セットに入るのは、その時季に収穫できる旬の野菜です。いつも同じものが揃うわけではありませんが、それも季節の移り変わりを食卓で感じる楽しみになります。
シンプルな味付けでも、普段のおひたしや炒め物でも構いません。まずは、いつもの食卓で味や食感を確かめてみてください。
生で味わう場合は、その野菜が生食に向くかを確認し、それぞれに合った食べ方で楽しんでいただければと思います。
旬の野菜を8種類以上。まずは1回、食べてみませんか?
サンライフの野菜セットは、いかす農園と天土オルガニカから仕入れた旬の野菜を、8種類以上詰め合わせてお届けします。
1回3,000円。送料・クール便代込みで、毎週水曜日に発送しています。
野菜の種類は、季節や収穫状況によって変わります。
まずは1回だけのご注文でも大丈夫です。このページから購入しても、自動的に定期購入になることはありません。
毎週・隔週・月1回などの継続利用や、お届けについてのご相談は、サンライフのLINEへお気軽にお声がけください。
