伝言板2013年9月号
子供が成長したなぁと思うとき…
どんな時ですか?
月日が経つのは本当に早いものでして…今月の5日で私も35歳を迎えることになりました。30歳でお店に入って丸五年が過ぎました。
思えば、父が亡くなった時に、サンライフを継ぐことを志したのが26歳の春…もう八年前の事です。
マクロビオティックを提唱する日本CI協会に二年半ほどお世話になり食事療法の神髄を深めた先生を目の当たりにし、多くを学びました。
30歳を迎えた誕生日に満を持してサンライフに入社したのが、ついこの間のように思い出されます。
初めは右も左もわからなかった中で、母である社長に手取り足取りとサンライフの仕事を学ばせて頂き、少しずつですが覚えていくことができました。
そんなわけで、今では徐々に仕事を任せてもらえるようになりましたが、やはり肝心な時には社長の指示に従うのは今も変わりません。
私としても、自然食品の業界では未熟ですが、社会人としては十五年近くの経験を積んでいるので、任せてほしいと思う時も正直しばしばあります。
また、意見の食い違いで議論するときも、親子ならではの難しさというのはつくづく感じています。
これまで勤めていた時には、例えウマが合わない方がいても…家族ではないので遠慮もしましたし、仕事の間しか顔を合わせないから…という風に割り切れましたが…親子ではついつい馴れ合いになり言いたいことをいってしまって、気まずい空気が流れる瞬間が多くあります(笑)
そのことを私の仕事面での師匠である新沼さんに相談させて頂くことにしました。
心配する母の心…認めてもらいたい息子の気持ち…
多くの会社と関わりをもつ二代目をたくさん見てきている新沼さんなら、事業承継の良いアドバイスをもらえるのでは…と思いましたが、返ってきた答えは意外でした。
「尚さんごめんね、はっきり言うよ!親への感謝が足りない」
おもわず「えっ…!?」と聞き返しました。
「親子ってね…親はいくつになっても子供のことを心配していて…逆に子は早く親に認めてもらいたいという気持ちがあるんだよ」
ただ、その親の心配を、子は信用されていないと感じてしまう心理があるようです…
実際に私もそう思っていたので、自分だけではないんだなとホッとした部分がありました。
「お母さんが子供を強く心配してしまうのはね、残念だけど現時点では尚さんが100%の信頼を勝ち取っていないんだよ。信頼を勝ち取るって、テストで100点をとるとか、会社で出世するとか華やかなことではなく、地道な努力なんだよ。例えば、玄関で靴を脱いだら靴を揃えるとか、朝起きたらきちんと『おはようございます』と挨拶ができるとか、そんな平凡に見えるところを親って見てるの」
確かに出かける時、母から預かった手紙を投函するのを忘れて、三日間カバンの中に入れっぱなし…なんていうこともありました。
では、感謝が足りないとはどういうことなんですか?と聞いたところ、新沼さんはニッコリ笑って言いました。
「尚さんは羨ましいよ、例えばね。尚さんが今から全く新しいお店を始めるとするよ。まず商品を仕入れなきゃならないよね。後ろ盾もない30歳過ぎの若者にカンタンには商品を預けてくれないよ。もしどうしても仕入れたいなら、商品代金を前払いで払って、それだけじゃなく保証金なんか要求されるよ…そんなお金、尚さん持っているかい」
そう言われると、穴があったら入りたくなるほど、急に恥ずかしくなりました。当たり前のように注文書に商品名と数量を記入してFAXするだけで、すぐに商品を送ってくれること…これは当たり前でなくて、親の代からの信頼があってこそなんだなぁーと自分の感謝の足りなさを実感しました。そう考えると次から次へと感謝しなくてはならないことが浮かびあがってきました。新沼さんから教えてもらった親への感謝の意味はなんとなく理解できました。
「母に自分を認めてほしい」という気持ちは強くありますが、ただその願望が強いだけで自分の事ばかり考えていたのかもしれません。
「なんで母は分かってくれないのだろう…?」とよく考えるようになっていましたが、これって自分が母に理解して欲しい…と求めて頼ってしまう心(依頼心)だったのかも知れません。
新沼さんが私に伝えたかったこととは、母への感謝を行動に移して伝われば、もっともっと認められるようになれるということだそうです。スポーツの世界、芸術家の世界、功績を残してきた方の足跡を辿ると、必ずといっていい程、「親への感謝」というキーワードが存在するそうです。
まだまだ半人前の私ですが、母にも信頼してもらい、安心してもらえる自分づくりのために、今日も地道に、机の上を整理して水拭きするのでした!
店長 林 尚
