伝言板2010年12月号
とある日常の出来事から思い出す父との想い出
先日クルマの点検の際にこんなやり取りがありました。ディーラーさん「走行距離凄いですね!22万㎞走ったのならそろそろ買い替えもお考えで?」私「新車も欲しいんですけど、この車は手放したくないんですよ。まだまだ元気に走りますし」そう、この車には実は深い思い入れがあるんです。それは亡くなった父との思い出が…
さかのぼること八年前の事。飲料会社勤務の私はマイカー持ち込みでの得意先回りでして、当時は父から格安で譲ってもらった車に乗っていました。ちょうどこの冬の季節の頃、私は新しく発売された四駆車が欲しくてほしくてたまりませんでした。家族会議に話題を挙げてみると…、兄と母からは当然のごとく、「頭金すらないアンタが車なんて買えるわけないでしょ!そもそも今の車だって、お父さんがアンタが仕事で使うためにあんなに安く譲ってくれたのよ!」と大反対でした。…今振り返ると本当におっしゃる通りです(笑)が、その頃の私は若気の至りというか自分の考えを譲らすに「自分の甲斐性で買うんだから別にいいでしょ!頭金なんてあるなし関係なく払うお金は一緒なんだし!」と、話が平行線の時に助け舟を出してくれたのが父でした。
一言、「まあ、尚が自分で決めたんだからいいじゃないか」私はとても嬉しくて、やっぱり父は自分をよく理解してくれてるんだと感じました。…が、後から実は父もただその四駆車に乗ってみたかっただけと知ったのですが…(笑)
大黒柱の後押しもあって、無事購入が決まりました。その時父が「いつか雪景色にでも連れてってくれよ」と言い、私も「いいよ!」と簡単に答えました。
そんな軽い約束が、早くも現実となる日がきました。忘れもせぬ2002年12月9日、関東に珍しく大雪が降った日です。納車早々、父が突然「鳴子温泉に湯治で連れてってくれ」と言い出したのです!数日前に足を痛めた父は、突発的に新車で温泉に行きたくなったようです。一週間後、早速私と父は温泉に向かって車を走らせていました。
三泊四日のあっという間の旅行ですが、普段では話せない会話ができたりと、私にとっては忘れることのない二人旅となりました。たわいのない話や仕事の話から、いつしか父の幼かった頃の話にまで。実は父の過去を詳しく知ったのはそのときでした!特に印象深かったのが、なぜ?健康に関する仕事を始めたのか?ということでした。
それは…父は幼少の頃に母親を亡くして、そのショックと悲しみが本当に辛いものだったそうです…そこで、命の尊さ、健康の有難さを身を持って感じた父は、真の健康を周囲に伝えたい…という思いをきっかけにお店を始めたそうです。そんな父の優しさに触れているうちに心が和み、あっという間に自宅に戻る日となりました。ところで、父と約束した雪景色ですが…大雪で車が全然進めないくらいの真っ白な状態で、車中で父と大笑いでした!
八年が経過した今でも、この時季、クルマを走らせていると、ふと目頭が熱くなるときがあります。だから、父との思い出がつまったこの車、当分の間は手放せそうにありません…
店長 林 尚
